医療機器は高額なものが多く、廃棄のコストも決して安くはありません。そのため多くの医療機関では医療機器の買い替えに消極的になり、廃棄の手間やコストを負担に感じているようです。
医療機器は、家電製品などとは異なり流通量が多くありません。また、医療機関が医療機器の導入時に重視するのは安全性や信頼性であり、リサイクルについては考えられていないのが現状です。そのため医療機器リサイクルを行うシステムが確立されているとはいえず、医療機器の撤去・回収を積極的に行う産業廃棄物処理業者はまだまだ少ないといえます。
また、医療機関にとっても手間やコストのかかる医療機器廃棄・撤去は負担であり、可能な限り販売業者などに下取りや引取りをしてもらいたい…というのが本音。ただ、近年では医療機器撤去を積極的に行う業者も増えており、買取をしてくれるケースもあります。
廃棄や撤去に手間とコストがかかる医療機器は、不法投棄の問題も抱えています。そもそも医療機器は廃掃法によって適切な処分が求められており、排出事業者の責任のもと処分しなければなりません。不法投棄は法律違反であり、厳しく罰せられます。マニフェスト制度(産業廃棄物管理票制度)などで排出事業者の責任明確化や適正処理が進められていますが、医療機器の不法投棄や不適切な処理は後を絶ちません。
そのため、医療機関は正しい知識をもち、信頼できる処理業者に依頼するなどをして医療機器の適切な廃棄・撤去が行われるようにしなければなりません。
医療機器を処分する場合、個人医が運営していた小規模なクリニックであっても、家庭の粗大ゴミで出すことはできませんし、標準的な会社の事業系一般廃棄物とも異なる分類となります。
医療機器は特殊な化学物質や有害な物質が付着していたりするケースもあって、産業廃棄物または特別管理産業廃棄物に分類され、どちらも安全かつ確実に処分するには、医療機器処分に対応可能な専門業者に依頼する必要があります。
医療機関から交換や修理、引取りなどを依頼された製造業者(元売業者)が医療機器を回収して産業廃棄物取扱業者に廃棄を依頼するルートです。医療機器を販売している業者は、新しい医療機器を販売する際に古い機器を引き取ってくれるケースもあります。医療機器は全般的に高額なので、競合他社に乗り換えられないためのサービスともいえます。
中古専用販売業者や修理業者などが医療機関から交換や修理、引取りなどを依頼され、産業廃棄物取扱業者に廃棄を依頼するルート。さらに製造業者(元売業者)に引取回収をしてもらってから産業廃棄物取扱業者へ廃棄依頼をするケース、医療機器を買い取り、メンテナンスして再販する中古品売買の業者に相談するというケースもあります。この場合、業者は再販可能な商品価値のある機器のみを買い取る=仕入れるので、全処分は難しいでしょう。
全国どこでも産業廃棄物を処分する業者はいるもの。移送距離は近い方が処分も安価になるものですが、医療機器の専門業者でないと、結果的に処分を再委託するため費用が高くなるケースもあります。
医療機器専門で処分に対応する業者であれば、機器の状態や市場価値に関わらず、基本的にはすべて一括撤去してくれるでしょう。ただし、業者による違いはあるので、見積りは要チェックです。
医療機器が産業廃棄物として医療機関から産業廃棄物取扱業者まで辿り着くには、「医療機関が直接処分を依頼する」方法以外に5つのルートがあります。
高額機器の処分をする際に、できるだけ高く買い取りをしてもらいたいなら、処分方法はいくつか考えておくべきです。また、医療機器の種類・内容によって業者も比較しましょう。
例えば、処分する医療機器がCTやMRIといった特定機器のみで、点数もあまり多くない場合なら、医療機器買取業者の公式サイトを調べて、買取可能かどうか問い合わせをしてみましょう。買取可能という回答があれば、複数業者に相見積もりをとって比較するのも賢い方法です。
一方、クリニックの閉院や移転が決まっていて、既存施設の機器をまるごと処分しなければならない場合は、医療機器専門の撤去業者にお願いしましょう。先述のように買取サイトで取扱可能な機器があったとしても、それらを除いて撤去業者に依頼すると、トータルではコストアップになることもありますし、手間や時間の二重化もデメリット。ここはプロにワンストップ対応してもらうのが賢明です。
当サイトでは事業継承者がいないクリニックを相続して、閉院に向けて医療機器の処分を検討しているヒトに、おすすめの医療機器撤去業者を紹介しています。

医院の数だけ、最適な撤去方法は変わる
医療機器の撤去は、病院それぞれに固有の事情があり、柔軟な対応ができる業者を選びたいと思うことでしょう。
ここでは、医療機器専門の撤去業者がHP上に掲載している撤去事例をまとめて紹介していきます。
当サイトでは医療機器撤去の専門業者を調べて、依頼事例ではそれぞれの医院の状況に合わせたケースをピックアップ。事例ごとにまとめているので、そちらも参考にご覧ください。