医院の閉院時は、その建物を売却するにしろ賃貸物件を原状回復するにしろ、医療機器はきちんと撤去をしなければなりません。普通の撤去業者ではなく専門業者のサポートが必要で、医療機器以外もまとめて処分してくれる業者をお願いするのが得策。その業者選びのポイントを紹介していきます。
これまで使っていた医療機器を後継機種などに買い替えるなら、医療機器の販売会社で古い機種の撤去をサービス対応してくれるケースがあります。ただし売上にならない撤去だけを依頼するのは難しいでしょう。
買取業者とは医療機器の買取販売を行っている中古品売買業者のこと。一般的なオフィス用品の売買ではなく、医療機器に精通している業者の場合、中古品として値が付く機器だけ撤去してくれることもあります。
撤去時の搬送コストが抑えられるという意味では、医院がある地域の地場の産廃業者も候補として考えられます。ただし、医療機器の専門業者でないと再委託となったり、地域によってはすべて撤収できなかったりもするため、撤去費用が二重になることが多いです。
医院があるエリアを対応地区としている医療機器専門の撤去業者がいれば、基本的には一括で医療機器の撤去を依頼することもできるでしょう。もちろん、専門業者でも個々に違いはあるので、どこまで対応してくれるかはよく確認してください。
医療機器の撤去をできるだけスムーズ、かつコストを抑えつつ完結したいなら、以下のような専門業者がおすすめです。
医療機器以外のオフィス用品なども含めてワンストップで撤去してくれるなら、打ち合わせから現場対応までの手間も最低限に抑えられます。医療機器以外の撤去費用が著しく高い見積でもない限り、1社に依頼する方がリーズナブルです。
また、プロから見て商品価値のある医療機器が含まれるなら、買取対応によって撤去費用の一部が相殺される可能性もあります。これは一般人には判断がつかない点なので、問い合わせ時に相談して、過去の事例などを教えてもらうといいでしょう。
医療機器専門の撤去業者を選ぶ際にも、ワンストップ対応と経験豊富であるという2点は必須要件としてください。
閉院による総撤去実績が豊富なおすすめの
医療機器撤去業者
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医療機器の処分では、法的所有者が廃棄義務の責任を負います。そこで、医院閉院時の医療機器処分の流れについて簡単に紹介します。
医療機器を処分する場合、その医療機器が「感染性」であるのか「非感染性」であるのかが重要。
感染性医療機器は感染の恐れのある病原体が付着している医療機器であり、注射器やメスなどの鋭利な機材も感染性医療機器として扱われます。こちらは廃棄するためには特別管理産業廃棄物(運搬処理)許可業者へ廃棄を委託する必要があります。
一方、非感染性医療機器に分類されるものは産業廃棄物として産業廃棄物(運搬処理)許可業者への依頼が必要です。
まずは専門業者などに連絡し、見積もりをとることをおすすめします。
閉院するとき、「別の医師に継承する」「完全閉院する」「個人から医療法人化する」「第三者に譲渡する」などのケースが考えられます。その場合、自己所有している医療機器やリース中の医療機器はどう対処するべきか決めておかなくてはいけません。ここでは、閉院の種類別に医療機器の処分方法を紹介します。
医院を閉院して別の医師に引き継ぐ場合、自己所有している医療機器を引き継ぐかを決めなければなりません。もしも機器を引き継ぐ場合、有償か無償かを話し合う必要があります。後任の医師とよく話し合い、後にトラブルとならないよう注意しましょう。
なお、X線装置や心電計、超音波診断装置などのメンテナンスが必要な機器については製造メーカーに相談しておく必要があります。
リースしている医療機器がある場合、リースを続けるのか清算して処分するのかを決めましょう。リースを継続するのであれば契約締結を行い、処分するのであれば清算や廃棄依頼を行います。いずれにしても、リース会社との事前相談や打ち合わせが必要です。
医院の継承者がおらず、完全閉院する場合はすべての医療機器を処分しなければなりません。まず自己所有している医療機器については、中古販売業者への買取依頼か、買取不可の機器は産業廃棄物処理業者への有料引き取り依頼が必要です。
なお、インターネット広告で「医療機器すべてを一括買取」と謳っている業者もありますが、実際はほとんど値がつかず処分費用がかかってしまうケースが多いようです。また、業者によっては医療機器の最終処分まで対応していないこともあるため、処分証明書を発行してくれるなど、最終処分までしっかり行ってくれる業者選びが大切です。
リースしている医療機器は、清算をして契約満了にしなければなりません。その後は産業廃棄物処理業者に依頼をして廃棄処理をします。なお、処分費用については医院の負担となります。清算は閉院までに行う必要があるため、必ず事前にリース会社に相談しましょう。リース物品はあくまで「借りている」形になるため、リース会社に無断で廃棄処理をしてはいけません。
医療法人化する場合、医療機器や什器は現物拠出あるいは売買による譲渡を行うことが多いようです。自己所有している医療機器を現物出資できるということですが、その場合は価格の証明が必要です。
また、現物出資をせずに機器を処分する場合は産業廃棄物処理業者に依頼しましょう。
リースしている医療機器を医療法人へと継承する場合は個人から法人へと契約先変更をしましょう。もしも法人化の際にリース機器を継承しないのであれば、清算し廃棄処分を行う必要があります。
閉院するとき、後継者がおらず第三者にクリニックを譲渡する場合もあるでしょう。その際、自己保有している医療機器も譲渡することができます。
ただし個人間で譲渡を行う場合、医療機器の「耐用期間」や「保守部品の保有期間」などに注意が必要です。期間を過ぎると修理やメンテナンスが難しくなってしまいますから、譲渡元と譲渡先でしっかり合意しておくことをおすすめします。
なお、医療機器の使用期間や状態によっては、譲渡しないというケースもあるでしょう。その場合は中古医療機器買取業者に依頼をして機器を売却するか、産業廃棄物処理業者に依頼をして機器を処分してもらうことになります。

医院の数だけ、最適な撤去方法は変わる
医療機器の撤去は、病院それぞれに固有の事情があり、柔軟な対応ができる業者を選びたいと思うことでしょう。
ここでは、医療機器専門の撤去業者がHP上に掲載している撤去事例をまとめて紹介していきます。
当サイトでは医療機器撤去の専門業者を調べて、依頼事例ではそれぞれの医院の状況に合わせたケースをピックアップ。事例ごとにまとめているので、そちらも参考にご覧ください。