開業医の親が亡くなって、医院を継承できず閉院する場合、建物や土地も親の資産なら相続した上で売却するケースもあるでしょう。むしろ売却までをゴールとした場合、医療機器の処分は善良な専門業者を見つけないと撤去費用がかさんだり、処分完了までに時間がかかり過ぎたりと、スムーズに進まないこともあります。
医院の閉院は手続きなども含めてかなり手間がかかるもの。着手するのに早過ぎるということはなく、すぐにでも医院内の整理を始めることをおすすめします。
医療施設にあるものは、簡単にゴミとして処分できないものが多々あります。
普通の事業所ゴミと同様には処分できない機器や閉院した後も一定期間は保管する義務があるものなど、多岐にわたって専門知識やノウハウを持つプロに依頼をしないと適切な処分ができません。
その代表的なものとして、医療機器、カルテ、医薬品の3つに関する対処を簡潔にまとめてみましょう。
閉院に伴う医療機器の処分は、医療機器の撤去・処分の専門業者がおすすめ。一部機器は買い取ってもらえる可能性もありますが、医療機器の買取業者だと値がつかない機器の引取は割高になることもあり、まるごと引き受けてくれる業者の方が手間も軽減できます。
また、リース料が残っている機器があればリース会社との間で精算しなければなりません。処分費用は医院側の負担となるのが一般的です。
カルテは管理責任がある医師(開業医なら院長)が、閉院後も5年間は保管しなければならない義務があります。その医師が亡くなって閉院する場合、遺族と自治体での調整とはなりますが遺族が保管するケースも多いようです。
また、最終的な保管期間は、患者さんからの損害賠償請求権を勘案して、義務の5年ではなく10年とする傾向が見られます。
医薬品は消費期限内かつ未使用の分については、仕入れ先の医薬品卸会社に返品として引き取ってもらうことができます。それ以外は錠剤や液体といった素材形状ごとに分別して廃棄するのが基本です。
廃棄業者に一括処分を依頼するにしても、適切に処分をしたことを確認する責任があります。業者からは写真を含めた書面での報告を求めましょう。
なお、向精神薬は処分した記録を2年間保存する義務が、麻薬は保健所の立ち会いで廃棄して都道府県知事に届け出る義務があります。
医院の閉院時に医療機器の撤去や廃棄、処分をする方法や適用される法律は多岐にわたるため、一般人が適切に対応するのは難しいでしょう。もっといえば、機器を分別して個々に専門業者を見つけて依頼することでさえ、あまり現実的な対処とはいえません。
そのため、医院の閉院時の対応をトータルサポートしてくれる専門業者がおすすめ。まるごとお願いする方がリーズナブルな上、手間もかかりません。

医院の数だけ、最適な撤去方法は変わる
医療機器の撤去は、病院それぞれに固有の事情があり、柔軟な対応ができる業者を選びたいと思うことでしょう。
ここでは、医療機器専門の撤去業者がHP上に掲載している撤去事例をまとめて紹介していきます。
当サイトでは医療機器撤去の専門業者を調べて、依頼事例ではそれぞれの医院の状況に合わせたケースをピックアップ。事例ごとにまとめているので、そちらも参考にご覧ください。